循環する君は

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牛メシ屋だったところが
つけメンの店に替わるの最速だった

なにもかも循環するといった君
とうに戻ってきてゐるかしら

分院の廊下で我が子抱き入れた
腕の血管蒼白く浮く

ねずみ花火のやうに泣き喚く子を
母は抱きしめかつ憎むなり

仄暗い森の湿った下草を踏みしめ
「ごめんね」とはいわない

ギイギイと鳴く声すれど
その姿見えぬ鳥ゐて心泡立つ

短夜(みじかよ)の南を向きし神棚の
コップの縁の水泡立てり

縁側で転寝すれば
ガリヴァーのごとく縛られ見世物になる

翳りゆく街の裏道
ビリヤード場の看板小さく灯る