硝子の破片

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水のないプール一日かぎりにて
少年少女の夏のあとさき

濡れそぼつ葉陰に張ったくもの網(くものい)の
硝子の破片のように光る

午睡にはちょうどいい雨
 はじめて桃を食べた日のこと思い出してる

夢をみた したしきものの みながみな
 死んだことなどわすれ生きてゐし

あえかなる夜の帳が黄昏に
ささやきかけるくぐもった声

風呂に入る前は裸で出るときもやはり裸で
 つゆの夜の雨

ががんぼの足もがぬよう風送り
一瞬の隙に夜へ放てり