夏土用

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戦争がやつてくる音どんなだろ
 ずかずかどかどかそろーりつるん

前歯しかない老人と
前歯の欠けし子が並び 西瓜を食らう

幽霊がいる気配して振り向けば
 ささくれだった小指の疼き

ルーティンワークのように卵割る
孵らぬ命を埒外におき

梅雨明けてから降る雨はなぜかしら
詩人の漏らす吐息のような

群青の紙くりぬいた星空と
星屑集め貼った新月

品定めするような目で人を見る
老眼鏡をかけた猫のゐし

夏土用 通りすがりの居酒屋の
よしずのうちに涼を借りたり