「短歌の目」8月みなさまの作品感想(その1)

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今回は残念ですが僕自身は「短歌の目」8月に参加できませんでした。でもみなさまの歌は洩らさず読み、いつものようにそれぞれ10首のなかからいちばん好きな歌を1首だけ選び、ごく簡単な感想というか好きな理由をメモしていました。それを毎回長くなって自分でもスクロールするのが大変なので、今回は今日から3回に分けて(3日間で)投稿します。

言うまでもなく僕の勝手な雑談程度の感想なので、出来ればあまり本気になって怒ったりしないでもらえるとありがたいです。それと基本的には自分の勉強のためにやっていることですが、「ああ、こういうふうに思う人もいるんだな」程度に軽く考えてもらえるなら、うれしいですね。

感想の感想、誹謗中傷などもお持ちしています。なお、ブログ名にリンクを貼っていますが、敬称は略しています。

 

tankanome.hateblo.jp

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hyacinth

町内のまつりの子供みこし曳くやけくそ気味のボーイ・ソプラノ

「やけくそ気味のボーイ・ソプラノ」がいいですよね。言われるとそんなこと誰でも気づきそうなことなのに、実際はなかなかその言葉を思いつかない見本のような。

 

ほしいぬ

日焼けせぬ ために求めし ラッシュガードつまらなくなり 脱ぎ捨てて海

 海ならではの開放感が特に下七七によく表れていると思います。つまりそれは夏の開放感にもつながるんですよね。

 

今日の良かったこと

ベランダに 朝顔の鉢 くきやかに 色とりどりの 花を咲かせて

短歌よりむしろ当該記事内にある前後のツイートの引用が素晴らしすぎて、これ短歌にできなかったかなあと悔やまれます(特に「次男から枝豆みたいな香りがする」)。

 

Letter from Kyoto

「ご冥福お祈り申し上げます」と送られてきた選考結果

 こういう結果が送られてくるのはどんな選考会なんだよと笑ってしまいます。受かってるのか落ちてるのか? なによりこれ、ちゃんと五七五七七のリズムにも適ってる。

 

さらさら録

くちづけは売約済のスタンプじゃないからわたしはわたしのものです

 「キスしたくらいで俺の女気取りにならないでよ」という感じでしょうか。それ以上に「わたしはわたしのものです」の言い切りに、よりいっそうの力強さを感じます。

 

二歩サガリ。。

宵涼み 今日の終りに 吹く風を 風鈴の音で 感じて睡る

「宵涼み」というのは俳句の夏の季語ですね。宵は一般的にはまだ眠る時間帯ではないかもしれませんが、まあそこは個人差がありますので。いい雰囲気の歌です。

 

マトリョーシカ的日常

おだやかな腹がじわじわ膨れたらある朝はいさい私が父か

これを怪談短歌といいたい気持ちはわからなくはないですが(「まつり」の歌と併せてお子さんが誕生したことわかりますよー)、「はいさい」に本心が滲み出ていてニヤリとなります。おめでとうございます!

 

YESかNOか半分か。

ファインダー垣間見ては調節しくきやかに笑む嗚呼キミ愛し

いちばん技巧がなく、無理がない素直な表現の歌だというのを一首選んだつもりです。この路線でokなのではないかと(上から目線のようですが)思いますが。

 

のほほん気紛れ詩歌い

完全変態を経て蝉となる姿形は完全型なり

蛹を経ない蝉の「不完全変態」という言葉自体、子どもの頃の記憶が思い出されてどこか懐かしい感じがしますが、確かに成虫となった姿形は完全型で、なのでいっそう結句の「なり」の断定が潔くて効果的。

 

感情迷子中のあんずです。

うもれゆく人掻き分けて 父との想い出つまるホオズキ風鈴

 「うもれゆく人掻き分け」でほおずき市の様子が伝わり、そこに父親の思い出が場所と時間(過ぎ去った時)とモノ(ほおずき風鈴)と三重に重なるところがぐっときます。

 

@Togami_Arahiの脳内雑談

くきやかの意味は何かと聞く君に、僕の視界は移せないかな。

 間違ってたらごめんなさい。これね、君自身が「くきやかだよ」ということ? つまり僕の視界に映ってる君が。愛のうたですよね、これ。だとしたらステキだなあと。

 

 

(その2につづく)と思います……

 

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